再根管治療は初回治療よりも難しい

根管治療は初回治療(1回目)が最も成功率が高く
再治療は成功率が低下してしまいます

再治療の回数が多いほど
治療期間が長いほど

難治性(治りにくい)傾向にあるというのが
実践家としての印象です


難治性(治りにくい)となってしまう要因はいくつもありますが、
『医原性』と言われるものが少なくありません

医原性とは、医療行為が原因となって起こる病気や障害のことです
もう少し乱暴な表現をすると
医療行為によって新たな病気を作っている…


???


治療していると思っているはずなのに病気を作っているって、イミフですよね…


このような医原性の病気を少しでも減らすためにはどうすればいいか

世界標準の根管治療においては、
細菌を減らすためのルールを遵守することが謳われています




根管内異物
マイクロエンド中に偶然発見された根管内異物(破折ファイル)

再治療ではこのように根管の中に異物(破折ファイル)があることも少なくありません
全て取り除かなくてはいけない訳ではありませんが、
治療の障害になるような場合には除去が必要です


破折ファイル
根尖部に光る異物(破折ファイル)

この症例の場合は、根の先端に病変があり、これを取り除かないと
治療効果が認められない可能性が高いため、除去をトライ

ファイルが折れた場合、その事実を説明された患者さんは少ないので、
全く知らないことが多いです


破折ファイル除去
根管内より破折ファイル除去できた

まず、根管内より破折ファイルの除去を試みますが、
無理な場合は外科的アプローチにより除去します


プローブとの比較
歯周プローブとの比較

プローブはひと目盛が2mm
破折ファイルは、プローブより細く、長さは2mm程度

肉眼では除去できません


トランスポーテーション
根尖が2つ!?

もともと先端で2つに分岐している根管かトランスポーテーション

トランスポーテーションとは
本来の根管から逸脱して、治療者によって医原性に作られた人工の管

トランスポーテーションは当然、治療予後が悪くなってしまいます…


根管充填前
全て除去して徹底的に洗浄

オレンジ色のガッタパーチャというゴムなど全てを除去し、
徹底的に洗浄して細菌を減らします


MTA根充
MTAにて根管充填

このように根尖が破壊されているような症例などでは、
MTAセメントを用いて根管充填を行います


このような症例でも治療をトライしていきますが、
まずは、難治性とならないよう初回の治療できっちり治すことが重要です

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