介護サービス縮小検討 厚労省 高齢者医療費負担増も

厚生労働省は高齢者の介護サービスの縮小や
医療費の負担を増やす検討を本格化してきています

介護は2018年度、医療は17年度以降の実施を目指す
これらの見直しは膨らむ社会保障費用を抑えることが主目的です

医療分野の審議会部会は7月14日、
「高額療養費制度」の高齢者優遇措置の見直し
75歳以上の窓口負担増の検討を始めました

1961年に国民皆保険制度が発足してから半世紀が経ち、明らかな制度疲労が起きています

その大きな理由の一つは、
現在の日本は先進国(?)となり、”質”を求める人口オーナス期に入ったからです
現行の保険制度は、発展途上の”量”を求める人口ボーナス期にはベストマッチしていました

個人的には現在、国が行おうとしている枝葉末節な医療改革ではこの問題は解決できず
抜本的な医療改革が必要で、そうでなければ破綻するのではと危惧しています


近年の歯科に対する抑制は医科よりさらに酷い状態です
(直接命に関わらないからでしょうか?)

しかし、ここ数年、口腔衛生状態は全身状態に多大な影響をしていることが
多くの研究で分かってきました
震災でも、口腔衛生状態が悪い人は誤嚥性肺炎にかかりやすく、
高齢者ではそれがきっかけとなって命を落とすといったケースがある
という報告も出ました

現在、歯科分野で世界と大きく差をつけられている治療は『歯内療法』です
(俗に言う「歯の根の治療」や「歯の神経の治療」)
家でいうと”基礎”にあたる大事な部分です
欧米だけでなく、悲しいかな、近隣のアジア諸国よりも遅れています
(日本でも、保険外の治療であれば世界トップレベルだと思います)

治療の成功率を見てもその差は明らかです

根管治療の成功率世界標準日本
初回(抜髄)90%50%未満
再治療(感染根管処置)70〜80%不明だが、経験上絶望的に悪い

日本の(保険の)歯内療法のやり方は1961年から全く変わっていません

歯の治療はよく建築に例えられます
「歯内療法」=「基礎工事」
「被せ物」=「ウワモノ」

基礎工事が手抜きの物件は『欠陥住宅』と言われます
目に見えないけれども大事な部分です
また、雨漏りした家屋では基礎も腐ってダメになります
つまり、どちらが欠けても良いものにはなりません

歯も一緒です

被せ物だけ白くしても基礎工事にあたる歯内療法がいい加減だったら…

考えたことありますか?

歯の根の治療は目に見えないけど、歯を残す為にはとっても大事です!
保険診療で賄える領域というのはとても小さいものです
大事なのは、本当に必要な医療が提供できるか、ということです

もはや制度だけに頼っては自分の歯を健康に保つことは非常に困難です

自分の体は自分で守る、そのコストも考えるというパラダイムシフトが必要です

そのために、正しい医療リテラシーを是非身につけて欲しいと思います
(ネットの情報は玉石混合で、偏ったものも少なくありません)

医療リテラシーや最新の歯内療法については、また後日詳しくご紹介します