90度回転した歯の根管治療

コストの問題はあるにせよ、
虫歯治療と根管治療はもはや顕微鏡を用いないと世界標準の治療は難しい
と最近の臨床で痛感する日々を過ごしております

転位（位置がおかしい）した歯の根管治療は通法の口腔解剖アノマリーが適応できないため、
経験に頼る従来法の根管治療では難易度が高くなります

そんな状況でも、マイクロスコープを用いた直視下の治療であれば
安全かつ適切な根管治療が可能です



治療前、CAD/CAM冠

転位した小臼歯の虫歯治療をCAD/CAM冠で治療した後に疼痛(+)

診断：Symptomatic irreversible pulpitis、Symptomatic apical periodontitis
治療：根管治療



CAD/CAM冠除去

う蝕検知液で虫歯探索、虫歯（緑色）、露髄(+)



レジン、う蝕除去

う蝕は歯肉より下に波及しており、
フェルール（残存資質）があまりない維持に不利な状態



隔壁（レジン）、ラバーダム 防湿、マイクロエンド

ラバーダム防湿 、マイクロスコープ下にて根管治療
変則的な近遠心に2根管、イスムスも直視下にて感染除去、そして徹底的な洗浄



根管充填（GPシングル＋Bio-C シーラー）

根管充填はシングルポイント＋バイオセラミックシーラー使用
イスムス部分にはGPをバックフィルにて充填してます

歯内清掃しレジンにて即日支台築造し根管系を完全閉鎖

治療：90分×2回


マイクロエンドでも全ての歯を残せる訳ではありませんが、

患者さんの「できるだけ歯を残したい」

という希望を叶えるため、最大限の技術と努力を惜しみません
また、他院からの根管治療＋支台築造のみの治療も可能です

p.s.
この患者さんは、歯の治療前同側に顔面痛があり、
三叉神経痛を疑い脳神経外科精査するも原因不明…

根管治療後に疼痛消失！

歯痛からの関連痛の可能性がありました

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