根管治療における機械的拡大

根管切片
細くて複雑な根管(黒い部分)

これが、実際の根管(歯の神経)です
こんな複雑な場所にひとたび『細菌』が感染してしまったら、
完全に除去することは難しいということは想像に難くありません

このことこそが、

根管治療は歯の治療の中で最も難しい治療の一つ

と言われている所以です

細菌を減少のための3ステップ

  1. 機械的拡大
  2. 化学的洗浄
  3. 根管貼薬

機械的拡大の目的

  1. 細菌感染したものを物理的に除去して細菌の量を減らす
  2. 洗浄剤が根の先まで行き渡るようにする(化学的洗浄)

機械的拡大が不十分だと、そもそも歯の中の細菌が減っておらず、
洗浄剤が根の先まで届かないため、化学的洗浄の効果も得られないのです

Ni-Tiファイル
Ni-Tiファイルは効率よく根管内を掃除できる

機械的拡大の限界

歯の中の根管は非常に複雑で、どんなに拡大しても残念ながら細菌はゼロになりません
また、機械的拡大は歯の中を削る行為なので、やり過ぎると今度は「歯根破折」
し易くなり、抜歯するしかなくなってしまいます

機械的拡大には限界があります

Ni-Tiファイルは非常に効率よく汚れを取れますが、これを用いたとしても
根管に触れることができるのは約60%程度に過ぎないのです


機械的に除去できなかった残りの細菌は、

2、化学的洗浄
3、根管貼薬

にてさらなる細菌減少を図ります


FKG XP-endo shaper
FKG XP-endo Shaper

最近、このような特殊な形状をしたファイルが注目されています
特に再治療時のGP(ガッタパーチャ)除去に威力を発揮します
(欠点は高価なことです)

p.s.
ルールを守った根管治療(エンド)はほんとコスト(お金)がかかります

Tag: 治療