骨移植材を用いないサイナスリフト(上顎洞底挙上術)
最近、マイクロエンド・根管治療の話題が多いので、
「口腔外科」本当にやってんの?
的な声もちらほら聞こえてきそうなので、たまには口腔外科の話題を…
今日は、サイナスリフトという上顎洞に骨を作る手術について解説します
術前CBCT
上のあごの中央には鼻腔、そしてその左右に上顎洞という空洞があります
鼻腔にも上顎洞にも骨が存在しないため、インプラントには不利な状況です
インプラントを行うには、骨の幅と高さの両方が必要ですが、
上の奥歯に相当する上顎洞部では骨の高さが不足することが多いです
上のあごでは骨を作らないとインプラントができないケースが多いため、
一般的に難しいとされるケースが多いのです
上顎洞部の骨の高さが足りない場合のインプラント治療
- ショートインプラントという長さの短いインプラントを使用
- サイナスリフト(上顎洞底挙上術)という骨を作る手術を行い、骨の高さを確保
以上の方法が考えられます
サイナスリフト(上顎洞底挙上術)とは
上顎洞内に存在する粘膜を挙上し、骨を移植する方法が一般的です
が
当院では、骨を移植しないで骨を作る方法を採用しています
骨移植材を用いないサイナスリフト(上顎洞底挙上術)とは
その名の通り、骨の移植をせずに上顎洞内に骨を作ります
簡単にわかりやすく表現すると、
手術により骨が自然にできる環境(条件)を作ります
あとは体が勝手に骨を作ってくれます(不思議ですね〜)
骨移植材を用いないメリット
- 自分の骨(自家骨)を採取する必要がないため、余計な侵襲がない
- 牛や豚といった(異種骨)や他人の骨(他家骨)も不要
- 骨吸収がない
骨移植は吸収置換により骨が形成されるため、
長期的に移植骨は約50%吸収され無くなります
つまり、高さを1cm作りたければ2cmの骨移植(オーバーコレクション)
が必要になります
異物を使用しなければ、未知の感染に対する不安もありません
骨移植材を用いないデメリット
- 手術の難易度が高い
一般的なサイナスリフトよりもな手技が難しく、施術できる人が限られます
サイナスリフト術中①
サイナスリフト術中②
インプラント埋入後
術前・術後のCBCT比較
術前は骨の高さが2~3mmしかありませんでしたが、
十分な骨の高さができたので、12mmのインプラントを2本埋入
(オープンバリアメンブレンテクニックによるGBRも併用してます)
p.s.
診査・診断能力や技術力に大きな差があるのがインプラント治療
インプラント治療をどこで受けるかってホント重要ですね!
連携治療も可能ですので、興味のある先生方がおられましたら、
お気軽にお問合せください
Tag: 治療