2017.10.20
カテゴリ:治療
外傷による歯冠破折のVPT
主訴:体育の授業のバスケットボール中にぶつけて歯が折れた
救急だったので、処置前の口腔内正面写真を撮り忘れました、すみません
16歳、男性
動揺は1強、軽度、レントゲンにて歯根完成直後、歯根膜腔は軽度拡大
歯冠の1/3が傾斜して破折
診断:外傷による歯冠破折、露髄(神経の露出)
このようなケースの場合、神経を温存するか治療するか悩みます
当然のことながら、神経は温存できたら温存した方が良いです
ちなみに、学生時代の教科書では、露髄(神経の露出)が2mmまでなら
保存できる可能性が高いとされていました
現在では当時と材料も方法も変遷して、この基準は役に立たないと考えます
神経を温存する「VPT(Vital Pulp Therapy)」を提案し治療しました
処置はマイクロスコープ下で行い、ステップとしては
①ラバーダム
②消毒
③新品の切削器具にて歯髄切断
④MTAセメントによる覆髄(閉鎖)
⑤ダイレクトボンディング(破折片を持ってきてくれたので)
治療時間:2h、治療回数:1回
接着が進化したので、即日でこのレベルの修復が可能になりました
マウスオーバーで破折線が表示されます
Tag: 治療