外傷による歯冠破折のVPT

主訴:体育の授業のバスケットボール中にぶつけて歯が折れた

救急だったので、処置前の口腔内正面写真を撮り忘れました、すみません


歯冠破折


16歳、男性
動揺は1強、軽度、レントゲンにて歯根完成直後、歯根膜腔は軽度拡大
歯冠の1/3が傾斜して破折

診断:外傷による歯冠破折、露髄(神経の露出)


このようなケースの場合、神経を温存するか治療するか悩みます
当然のことながら、神経は温存できたら温存した方が良いです

ちなみに、学生時代の教科書では、露髄(神経の露出)が2mmまでなら
保存できる可能性が高いとされていました

現在では当時と材料も方法も変遷して、この基準は役に立たないと考えます


神経を温存する「VPT(Vital Pulp Therapy)」を提案し治療しました


MTAによる閉鎖


処置はマイクロスコープ下で行い、ステップとしては

ラバーダム
②消毒
新品の切削器具にて歯髄切断
MTAセメントによる覆髄(閉鎖)
ダイレクトボンディング(破折片を持ってきてくれたので)



ダイレクトボンディング


治療時間:2h、治療回数:1回
接着が進化したので、即日でこのレベルの修復が可能になりました


マウスオーバー画像,lightbox2=group,破折部位


マウスオーバーで破折線が表示されます

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