自費の被せ物の外科的歯内療法
主訴:2回手術を受けたが、歯茎の腫れと痛みが治まらない
口腔外科にて2回ほど(おそらく)『根尖掻爬術』を受けたが、
歯茎の腫れと痛みが治まらず、噛んでも痛く、「抜歯」を宣告されたため受診されました
自費の被せ物が入っており高かったので外したくないとのこと
本来であれば
歯内療法(マイクロエンド)→外科的歯内療法(マイクロサージェリー)
が通法です
歯の中があまりに汚い場合は手術だけでは治りません
このケースは、「被せ物をどうしても外したくない」という
患者さんの意思決定を尊重し、歯内療法(マイクロエンド)をせず、
外科的歯内療法(マイクロサージェリー)を選択しました
マイクロスコープ、超音波チップ、MTAセメントなど使用
術後6か月、歯茎の腫れも痛みもなく、噛んでも痛くない
レントゲンでもかなりの骨化がみられ、良好に治癒しています
抜歯せず保存することができました
外科的歯内療法の成否は技術にかなり左右されるのが現実で、
マイクロスコープを用いるか否かも大きく影響します
マイクロスコープを使った歯根端切除術と肉眼での歯根端切除術の成功率の違い
(Setzer FC et al. Outcome of Endodontic Surgery: A Meta-analysis of the Literature―Part 1: Comparison of Traditional Root-end Surgery and Endodontic Microsurgery JournalofEndodontics, 2010より)
マイクロスコープを使った歯根端切除術:94%
通常の歯根端切除術:59%
専門医院なら抜歯の前にできることがあるかもしれません
p.s.
実は、私も昔は肉眼で外科的歯内療法をやっていました
成功率は70%程度だと思います
現在、当院のマイクロスコープを使用した外科的歯内療法の成功率は100%
もう肉眼で行うことはないでしょう
※歯内療法を行ってから外科的歯内療法に移行することをおすすめします
Tag: 治療