樋状根(C-shaped root)の根管治療
樋状根とは根管の水平断面がC字型をした根である
主に下顎第二、第三大臼歯に見られることが多い
人種により頻度が異なり、白人よりアジア人に多い
アジア人の報告では10〜44.5%であった
平均2〜3割で見られると言われています
(Jafarzadeh H, Wu YN: The C-shaped root canal configuration: a review. J Endod 33: 517-523. 2007.)
一般的に、根管治療が難しい・不可能とされている根管形態で
ウルトラCの治療であると言えます
下顎右側第二大臼歯
ブリッジの支台になっており、根尖に病変あり
症状:噛むと違和感や痛みが出る
術前の口腔内写真
虫歯等の明らかな異常はないが
症状があり、根尖病変もあるため被せ物を外して診断することに
ブリッジを切断したら、すでに被せ物は外れた状態
手前の部分に虫歯があるかな?と思って、触ってみると…
歯の中で虫歯が爆裂!状態
虫歯をマイクロスコープ下で完全に取り除くと…
健康な歯の部分かかなり少ない状態でした
しかも、根管が樋状根(C-shaped root)
患者さんは、チャレンジしてでも残したいと希望されたので
メチレンブルーにて破折チェック
破折を見分ける染め出し液で、破折がないかを入念にチェック!
垂直性の破折はなかったので、保存することに
隔壁、ラバーダム、オラシール、消毒して根管治療の下準備
細菌を可能なかぎり減少させることが、高い成功率につながります
そのためには、コンセプト(ルール)を遵守する必要があります
あれやこれやを駆使して根管内を綺麗にしました
CWCTにて根管充填
穿孔や根尖の破壊もない2根管的な樋状根だったのでゴムの材料を選択
CWCT(Continuous Wave Condensation Technique)
※米国の専門医の約半数が取り入れているとされている方法
術前・術後のレントゲン
すでに根尖病変も縮小してきて、症状も無くなりました
このように、ルールを徹底すれば後は自分の体が勝手に治してくれます
根管治療は、「ルールの差」、「技術の差」が大きく出る治療です
あなたの根管治療は、科学的根拠というルールに基づいて行われていますか?
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