インプラント手術の清潔度

インプラント治療には必ず『手術』が必要で、複数回に及ぶことも少なくありません
この手術時の「清潔度」について少しお話したいと思います


手術にはその汚染度により

  1. 清潔手術(無菌)
  2. 準清潔手術
  3. 汚染手術
  4. 不潔・感染手術

の4つに分類されます

口腔内には300~400種類の細菌が存在しているため、
インプラント手術は『準清潔手術』にカテゴライズされます

準清潔手術の清潔度合いはどの程度かと簡単に申しますと、

「清潔手術(無菌)ほど厳密でなくていいが、清潔手術とほぼ同じ無菌に近い状態」
という感じで、なるべく無菌方面で行うことが推奨されます

というのも、手術というのは無菌な状態を保つ方が困難で、
気を抜くとすぐに汚い『汚染手術』や『不潔・感染手術』となってしまうからです
(水は低きに流れると一緒の原理)

具体的には、

  • 手術室があり、他と隔離された空間であるこ(陽圧換気でなくてよい)
  • 手術用手洗い場があり、手術時手洗い法(普通の手洗いとは違う)を履行していること
  • ガウンテクニック(滅菌手袋や滅菌手術着の正しい装着技術)を履行していること
  • 可能な限りディスポーザブル製品を使用すること
  • 手術器具は正しく滅菌管理されていること
  • 術前・術中・術後の感染予防が適切に行えること

などが挙げられます


手術環境や清潔操作が無菌的でないと、術後感染などの術後合併症リスクが高まります
術後の痛み、術部の感染、手術の失敗、誤嚥性肺炎など
小さなものから命に関わるものまで様々で、

インプラントの失敗にもこの術後感染は大きく関わっています

このような院内環境を整えるには知識だけでなく、現場の努力や医療コストが必要です


しかし!


このようなことは、患者さんから見えにくい、わかりにくい部分です

当院では、こういう見えないところも「キッチリ」万全の体制で手術をしています

隣で入れ歯の調整をしていて、削りカスが飛んでくる環境で、
手洗いや滅菌管理も適当な、インプラント手術を受けたいですか?

良い手術環境の担保には医療コストがかかります
インプラントが高額になのは、このような感染対策費用も含まれるからです

インプラント治療を考える時、当然費用を気にされると思いますが、

「手術環境」のレベルはどうなのかも是非検討されることをおすすめします

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