マイクロスコープを使った歯根端切除術

根管治療(根の治療、神経の治療)が失敗した場合、次の治療オプションは

①歯根端切除術(外科的歯内療法)
②抜歯

しか残されていません

なるべく『歯を残す』という観点からは、①歯根端切除術が適応です

この歯根端切除術は非常にテクニックセンシティブな治療なので、

手術方法や術者の技術により成功率が左右されます

最近、開業医や口腔外科で歯根端切除術を受けたが再発したという相談が増加傾向です
「コンセプト」に基づかない歯根端切除術は再発リスクが高いのでお勧めできません


歯根端切除術の成功率を左右する重要なポイントは2つです

①歯根の先端にある感染組織の完全除去
②根管を逆から完全に封鎖

コンセプトとしてはヒジョーにシンプルです
大概の失敗の理由は『取り残し』と『根管が閉鎖できていない』の2点です
口腔外科などでは歯根の先端を「切るだけ〜」の先生もいます
(自分が学生の頃の口腔外科の教科書にはそれで良いと書いてあった)

この①と②を確実に行うためには

  • マイクロスコープ
  • MTAセメント(保険適用外材料)
  • 治療環境(十分な治療時間)

以上3点が必要不可欠です

マイクロスコープを使った歯根端切除術と肉眼での歯根端切除術の成功率の違い
(Setzer FC et al. 2010より)

マイクロスコープを使った歯根端切除術:94%
通常の歯根端切除術(肉眼):59%



根管の確実な閉鎖も重要です
マイクロスコープ下にてMTAセメントを用いて確実に閉鎖することがベターです

十分な治療時間という治療環境のもとで、マイクロスコープやMTAセメントを使うことで、
従来より高い成功率で歯を残す事が可能になります

抜歯を宣言された歯やコンセプトに基づかない歯根端切除術によって
治療が失敗した歯を残す可能性はありますのでご相談下さい

口腔外科に特化した当院では、静脈麻酔や日帰り全身麻酔を用いて手術可能です


p.s.
新しいマイクロスコープ本当に凄く良く見えるし、電磁ロック全然ブレない!(スゲー)
今まで以上に確実な手術が可能になりました
いい治療ができると、患者さんも術者も気持ちがいいですね

Tag: 治療