「診断」は大事というお話

診断、特に垂直性歯根破折の診断は歯の予後を大きく左右する重要事項です
そのため確実に確定診断を下すためには懇切丁寧な診査が肝要です

明らかな破折はレントゲンやCTで確認できたり、
患者さん自身にも症状があるため、迷うことはありませんが、

『クラック』という破折の状態はレントゲンやCTはほとんど役に立ちません
では、どうやって『クラック』を見つけたら良いでしょうか?

THE 「目視」(要マイクロ)


現時点では、マイクロスコープを使用した直視が最も有効です
それでも、根尖方向からの破折はわからないこともあります


FMC
かぶせもの除去前

頬側歯肉に膿の出口(サイナストラクト)があります(写真右上)


FMC除去
かぶせもの除去

虫歯や感染はそれほどひどくないようです


メチレンブルー染色
破折診断

メチレンブルーにて破折を染め出して破折の有無をチェック


クラック拡大
クラック拡大

根管に連続する歯根垂直性破折

診断:歯根垂直性破折
治療:抜歯


さて

もし、この破折を気がつかずに「治療」したらどうなるでしょう?

治りません!

通院および治療にかかる時間、費用が無駄になり、
さらに肉体的・精神的苦痛を伴うわけですね

治らないことを延々とやり続けることほど無駄なことはありません

結論『(破折)診断は大事』


p.s.
診断が誤れば、誤った治療が行われますのでね
顕微鏡は肉眼治療の限界の向こう側

Tag: 治療