4郡歯会合同HIV勉強会
9月29日(土)、15時から藤枝総合庁舎でHIV勉強会が開催されたので、
診療を一時停止させて頂き、参加してきました
サマリー
1996年に登場したARTという治療によりHIV感染者の死亡率は劇的に減少した
ART導入により口腔内の症状および治療も様変わりした
ウイルスがコントロールできていれば、一般的な歯科治療はほぼ可能
HIV感染者にとって歯周病コントロールや口腔ガン検診は重要
歯周病菌の毒素が抗ウイルス薬を阻害することが示唆されており、
歯周炎によって治療効果が減弱する可能性がある
前癌病変からの口腔ガンの割合が多く、腫瘍での死亡率が多い
歯科は治療に出血を伴うことが比較的多い診療科になります
行政もスタンダードプリコーションという感染予防策を推奨していますが、
ガイドラインを遵守しようとすると、かなりのコストがかかるため、
現在の診療報酬体系では広い普及は困難と言わざるを得ないのが現状です
行政の方針を平易に表現すると、
「金は払わない(払えない)が、医療者なんだからその良心で(赤字でも)やれよ」
ということです
(そういう診療報酬体系にしかなっていません)
現実はどうかというと、
『タービンの使いまわし報道』
な訳です
医療も介護もみなさまの想像以上にパンパンになっております
歯科に限らず医科でもこれに類似した問題があり、
行政はそろそろこの医療者の良心に依存するシステムからの
パラダイムシフトが必要ではないでしょうか?
話をHIVに戻すと、
歯科でのHIV患者さんの診療拒否が多いことが問題になっています
『HIV患者さんの歯科の受け入れ体制の構築を!』
と声高らかに理想を掲げても、とどのつまりこのようなコスト面を含め、
現実問題として乗り越えなければならない障害がまだまだたくさんあります
千荊万棘、そんなことを感じた勉強会でした
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