「神は細部に宿る」、仮封の厚みと材料
根管治療が複数回に渡って行われる場合に必要となる処置が『仮封』です
仮封とは
根管治療が複数回に渡る場合の治療と治療の間に行う仮の蓋のこと
仮封の目的
治療中の根管内に細菌を入れないこと
『仮封』って「仮の蓋」だからテキトーでいい?
食べカスが入らなければOKでしょ?
と思う方、ブッブー、大間違いです
根管治療の成功のカギは「細菌の減少」です
治療と治療の間に仮封が外れたら当然ですが、外れていなくても
漏洩するような材料を使っていれば、細菌はすぐに根管内に侵入してきます
つまり
それまで行った治療が「元も子も無くなる」どころか、
場合によっては最初より悪化(難治化)することもあり得ます
結構それで悩んでいる患者さんって多いんですョ
仮封に重要なのは『材料』と『厚み』
仮封に必要な厚みは4.0mm以上
マイクロスコープ下で隙間がないように分割して充填していきます
綿栓や綿球も使いません
(綿繊維による毛細管現象で細菌が侵入してしまう)
仮封に適さない材料
- ストッピング(食べカスは入らないが、すぐに細菌は入る)
- デュラシール
仮封に適する材料
- 水硬性セメント
- グラスアイオノマーセメント等
根管治療において『仮封』は重要
逆説的に言うと、『仮封』に手を抜かない先生であれば、
ちゃんとした根管治療をしてくれる可能性がグッと高まります
なぜなら
『仮封』という処置が重要だと理解しているからです(常識です)
世界標準の歯内療法(根管治療)では、『仮封』だけではありませんが、
このような細菌を減らすためのルールを一つずつしっかりと守って治療を行います
まさに「神は細部に宿る」、「仮封を笑うものは、仮封に泣く」
ただ、材料を使えばいいのではなく、どうやってやるかも大事です
根管治療において『仮封』は重要というお話でした
p.s.
もし、万が一『仮封』が外れてしまったら痛みがなくても早急に対応しましょう!
Tag: 治療