上顎前歯の根管治療を伴う審美修復の症例
初診時のレントゲン
30代、女性
上顎左側切歯の歯ぐきが腫れて、噛むと痛む
診断:Pulp necrosis、Symptomatic apical periodontitis
診査・診断で歯の神経は死んでいることが分かりました
根管治療後にジルコニアオールセラミックスを希望
マイクロエンド(精密根管治療)
ラバーダム、Ni-Tiファイル、PUI、根管充填(CWCT)、支台築造、プロビジョナル
この歯には虫歯の取り残しがありました
装着時のレントゲン
根尖病変もサイナストラクトもなし
マージン、フィッティングもバッチリでした
治療回数:審美修復60分×4回
p.s.
上手なセラミストの作る被せ物はピッタリしていて綺麗ですね〜
この症例から得られた知見
①初回の根の治療は成功しやすい
初回の根管治療、今回のように根の先端に黒い影がないような、
初めて神経を取る場合は歯の中の細菌感染度合いが少ないことが多いので、
ルールに則った治療を行えば、治癒しやすい
治療回数も少なく、痛みもないことが多いです
②被せ物をする場合でも診査・診断が大事
レントゲン上で異常がない、症状がないからといって、
歯髄が健康とは限りません
今回の症例のように、過去に神経が死んでしまっていて、
現在は無症状ということもあります
もし、歯髄の診査・診断を行わずに被せ物だけを治療したら
どこかのタイミングで腫れたり痛みが出るリスクがあります
そして、その時にはこの被せ物を外して根の治療をする必要があり、
再び被せ物を作り直す必要があります(費用もかかります)
③根の治療は歯の基礎工事
根管治療、根の治療は家やビルでいう『基礎』に相当します
普段は見えないこの部分ですが、家やビルを支える大事な部分です
家やビルの「基礎」が手抜きをされていたら…
(過去にそういう事件がありましたね)
歯の基礎工事も見えない部分ですが、歯を長持ちさせるためには大事な治療です
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