根性だけでは予防できないというお話

日本人は本当に『根性』が大好きですね
こういうマインドセットはいつ、どこで獲得するんでしょうか?

「歯磨きしているのに虫歯の治療が絶えない」
「歯医者さんに定期的に通っているのにどんどん虫歯になる」



このような患者さんって意外と多いんです
自分にも思い当たる節がありませんか?


このような患者さんの共通点は

『正しいう蝕の予防や治療の知識がない』
『適切な科学的根拠に基づく治療や予防を受けてこなかった』



ということが挙げられます

どうして虫歯になるの?

う蝕を発生させる「リスク要因」と生体の「防御要因」のバランスにより発生します

リスク要因 < 防御要因  虫歯にならない
リスク要因 > 防御要因  虫歯になる


リスク要因

  • 虫歯菌(ミュータンス菌)等の存在
  • プラークの存在
  • 薬物の使用
  • 間食の習慣(生活習慣)
  • 適合が悪いつめものやかぶせもの
  • 口腔内の乾燥

防御要因

  • フッ化物の利用(歯磨剤、洗口、塗布)
  • 十分な唾液量




つまり、個人のリスクに応じた予防が必要です

歯並びが悪い→磨き残しが多い→虫歯菌やプラーク→リスク増
適合が悪いつめものやかぶせもの→磨き残しが多い→虫歯菌やプラーク→リスク増

どうしたら予防できるの?

まずは生活習慣を見直し矯正治療やつめものやかぶせものをより磨きやすい状態にする
などの科学的根拠に基づいた治療および予防が本来の予防というものです

ただ、このことを患者さんに説明しても


「頑張って、一生懸命磨きます!」(なので、治療は結構です)


日本が世界のみならずアジアの中でも予防後進国であることを日々痛感させられます
(個人的な感想では、特に30代以降)

『根性』だけでは『予防』は達成できないのに…
セルフケアも大事な要素に違いはないのですが
どのようにやるのか、ということが重要なのです


予防って勉強と同じなんだと思います
いい成果を出すための勉強法があるように
いい成果を出すための予防法があるのです

「磨いている」のと「磨けている」は違います
努力しなくても磨けていれば予防できますし
努力していても磨けていなければ虫歯になります

歯科治療も予防も『根性』ではなく『科学』です(努力は関係ない)


自分の歯で一生過ごしたいと本気で思う人は
このような科学的な治療を実践するプロに是非相談してみてください
予防は適切に行えば、必ず成果が出ます

p.s.
漫然とした歯科医院通院では予防は達成されず
繰り返す歯科治療は、口腔内を破壊するだけです

Tag: 雑感