岸村歯科医院(岸村薫先生)とのコラボ治療

藤枝歯科医師会でお世話になっている、近所の岸村歯科医院岸村薫先生
一人の患者さんをコラボ治療しました

極度の『異常絞扼反射(いじょうこうやくはんしゃ)』のため
抜歯も入れ歯の型取りも不可能という患者さんです

絞扼反射(こうやくはんしゃ)とは

口腔内にものを入れられた時に吐き気などを催す症状をいいます
具体的には「オエッ」となっていまい処置ができない状態をいいます

小さなレントゲン(デンタル)の撮影時
歯の型取り時
歯を削る時



などが多いですが、個人差があり、想像するだけで症状が発症する人もいます

異常絞扼反射とは

「絞扼反射」自体は生理的な現象なので、どの人にもあります
(歯磨きしていて、歯ブラシで「オエッ」ってなるやつもそうです)
その反応が過剰におこることにより、歯科治療が困難ないし不可能になる場合

『異常絞扼反射』という病名がつけられます

異常絞扼反射の原因

歯科治療への不安や恐怖、過去の歯科治療のトラウマ、極度の心理的緊張
大きく関わっていると言われています
物理的刺激で起きるとは言いますが、異常絞扼反射の患者さんも食事は出来るのです
つまり、単純な機械的刺激だけでは発症しません

物理的刺激+心理的要因

複合的要因であると考えられています

異常絞扼反射の患者さんへの治療

異常絞扼反射の程度によって異なりますが、最も強い症状に対して
最も効果が高く確実なのは、全身麻酔や静脈麻酔・静脈内鎮静法です




紹介いただいた患者さんは

複数の抜歯
入れ歯の型取り

が異常絞扼反射によって不可能な患者さんでした

当院で、静脈麻酔と抜歯を行い、その後、岸村薫先生に来院していただき
そのまま入れ歯の型取りを行いました

抜歯も入れ歯の型取りも異常絞扼反射なくスムーズに処置完了しました


後日の患者さん談
 「処置のことは全然覚えていない、全然辛くなかった、思い切ってやってよかった」




当院では、かかりつけの一般歯科医院とこのようなコラボ治療を行っています

病院歯科口腔外科とは一味違う、患者さんとかかりつけ歯科医院に寄り添った
開業口腔外科ならではの機動力を生かして、地域貢献していきたいと思います

p.s.
一人の歯科医師、歯科医院にできることには限りがありますが
複数で関わることで不可能が可能になり、よい治療結果をもたらします
これは医療者・患者の双方にとってWin-Winの関係です

Tag: 治療