第11回 矯正セミナー@大阪

大学の学術講演会と重なってしまったため、今回は大阪会場で振替受講しました
名古屋から京都のあたりは、新幹線の車窓から雪景色を愉しむことができました
(しかし、東京より大阪ってやっぱり遠いですね)


さて、今回のテーマは

  • 過蓋咬合(かがいこうごう)と開咬(かいこう)、シザースバイトの改善
  • 埋伏歯の牽引



『過蓋咬合(かがいこうごう)』はディープバイトと呼ばれていて、
噛んだ時に下の歯が上の歯に完全に隠れてしまうような噛み合わせを言います

下の前歯は上の歯と噛み合うところまで生えてきます
場合によっては上の顎の歯茎に噛み込んでしまい、
上の顎の骨が吸収して、早くに上の前歯が抜けてしまうこともあります

『開咬(かいこう)』とは噛んだ時に奥歯が先に当たってしまい、
前歯が当たらずに隙間が空いているような噛み合わせを言います

前歯で麺類なんかを噛み切ることができません
奥歯に負担がかかり、これもまた早くに歯を失うことが多い噛み合わせです


『過蓋咬合(かがいこうごう)』も『開咬(かいこう)』も
垂直的な噛み合わせの不具合で、治療の難易度は高くなります
(場合によっては、外科矯正という手術を併用した矯正治療が必要になります)

実習では、ユーティリティーアーチや、アイデアルアーチという
ワイヤーの屈曲をしたり、そのワイヤーにオフセットやトルクを入れるという
ワイヤー矯正の最終的なテクニックを学びました


矯正治療は「治療期間が長い」「矯正器具が目立つ」「治療費が高い」
というようなイメージが未だに先行している感があり、
大人になってわざわざ矯正治療に踏み切れない人も多いかと思います

最近では、医療技術や治療装置が進歩し、これまでの欠点ををカバーするような
治療法も選べるようになりました

歯並びや噛み合わせを整えることは大人にとっても沢山のメリットがあります

1.相手に良い印象を与える

人間の印象は下顔面(顔の鼻より下)で決まるって知っていますか?
例えば、ほうれい線をマジックで強調すると、コントのお婆ちゃんになります
つまり、歳をとって見えるでしょう
前歯に隙間が空いていると、変なおじさん、つまり、間抜けに見えるでしょう
下あごが出ている人は、怒っていなくても怒っているように相手に印象付けます
(それで「睨んでる」とか「態度が悪い」って先生に怒られるんですよね)

歯並びや噛み合わせを良くするだけで、相手に

「清潔」「仕事ができる」「自己管理ができている」「(経済的な)育ちが良い」「快活」
などのポジティブなイメージを無意識のうちに与えます
なにより、自分自身が自信を持ってスマイルできるようになり、
心が前向きになり、社交的になります

あなたは、自信を持って笑えますか?

2.虫歯や歯周病にかかりにくくなる

歯磨きがしやすくなるので、結果的に虫歯や歯周病を予防することができます
歯に病気がなければ、そもそ治療は必要ありません
噛めない入れ歯で悩むことも、高額なインプラントもする必要もないのです

3.口臭が改善する

磨き残しがあったり、出っ歯などで唇が閉じにくいと口が乾燥し、口臭の原因になります
実際、他人が口が臭くても「あんた臭いよ!」って言えないですよね…
自分もまた然りなのです
(自分が実際に口臭があっても裏で「あいつ口臭い」って言われるだけという…)

ブレスケアは大人のエチケットです

4.歯が長く持つ

歯や歯の周囲の歯茎にや歯を支える骨に噛み合わせの負担が均一にかかるので、
組織を痛めにくく、結果として歯が長持ちするようになります
高齢者で歯が沢山残っている人に不正咬合の人はあまりいません

5.全身の健康にも良い可能性がある

アルツハイマーの原因と考えられている「アミロイドβ」というタンパク質がありますが、
ラットの動物実験で、噛み合わせ異常のラットは、噛み合わせ正常のラット比較して
 約3倍に増加していたという研究結果が発表されました

それ以外にも、口の健康は脳や心臓の病気、糖尿病、肺炎、大腸癌などと関係がある
ことが分かってきています
もはや、『歯では死なない』はウソ、過去の話なのです


経済学的側面から見ても、悪くならないように予防したほうが、
悪くなってから治療するよりCP(コストパフォーマンス)がよい
という事も最後に付け加えておきます

「自分の歯で噛める」という喜び、価値はお金に換算できません

大人になってからの歯並びや噛み合わせの治療にも実はメリットが多いのです
興味のある方は、是非ご相談ください

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