抗菌せっけん、米で販売禁止 「効果に根拠ない」
薬品局(FDA)は2日、抗菌作用のあるトリクロサンなど
19種類の殺菌剤を含む抗菌せっけんやボディーソープなどを販売禁止にすると発表しました
通常のせっけんより殺菌効果があるという根拠がなく、
長期使用の安全性も検証されていないとしています
一部の研究によると、殺菌剤を使うことで耐性菌が増えるリスクがあるほか、
ホルモンの働きを阻害するなど健康への影響を懸念する意見もあります
日本での過剰な『抗菌』ブームにも一石を投じそうです
われわれは、手術を行う前には『手術時手洗い』という手洗いをします
(日常行う手洗いは『衛生的手洗い』と言います)
手術時手洗いの目的は、手指菌数を可能な限り減少させ、たとえ手術時に手袋が破損したとしても
術野を汚染するリスクを最小限に抑えることを目的としています
手術時手洗いの方法は、使用する薬剤や手法により数種類に分けられます
- ブラッシング法
- スクラビング法
- ツーステージ法
- ラビング法(ウォータレス法)
当院では、CDC(米国疾病予防管理センター)の感染対策ガイドラインに則った
近年広く取り入れられている「ラビング法」を採用しています
この時、使用するのは抗菌せっけんではなく、通常のせっけんです
そして、ペーパータオルは未滅菌です(通常のタオルはダメですよ)
普通のタオルが置いてある病院は感染対策においては問答無用の論外です
患者さんの目には見えにくい”品質管理”の分野で、コストもそれなりかかりますが、
口腔外科ではこうした衛生管理を励行し、徹底的に行うことで、
術後感染(SSI)や院内感染の予防を行っています
(手術手技だけでなく、このようなことも徹底して教育されます)
これからも引き続き、当院へ通院の患者さんに安心・安全な医療を提供していきます
p.s.
自身の通われている、インプラントなどの手術を行っている歯科医院に
通常のタオルや手ぬぐいはないか、
「手術時手洗い」用のシンク設備があるかどうか、
気にしてみてください(笑
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