理性を超えるものが無限にあるということを認める

理性の最後の歩みは、理性を超えるものが無限にあるということを認めることにある
それを知るところまで行かなければ、理性は弱いものでしかない
(パスカル 『パンセ』断章267)

結局、人は自分が見たいと思うものしか見ないし、見えない

こんにちは、滝本歯科口腔外科クリニックの院長です


手術や治療を受けたくない、必要ないというのが深層心理にある患者さんは
十中八九といっていい程、『やらなくていい理由』を捻出します
そして、大抵「手術や麻酔が怖いから…」と言います
この感情は決して理性的なものではなく、根拠もありません
(飛行機に乗るのが怖いという人に飛行機の安全性を説明しても安心しない現象)

そういう人にいくら論理的に手術の妥当性や麻酔の安全性を訴えても
馬耳東風、暖簾に腕押しです
表面上は傾聴的振る舞いなのですが、目の表情は拒絶を呈します
(養老孟司先生はこれを「バカの壁」と呼びました)


このような場合、当院では手術や治療を無理に行う事はありません


どんな医療行為にもメリットとデメリットが必ずあります


当院は、歯科・口腔外科のスペシャリストとして
メリットがデメリットを上回ると医学的に判断した良い治療を提案しています
(ニーズは最大限応えますが、デマンドにはお応えしかねる場合があります)

患者さんに必要なのは『ほんとうに治りたい・治療したい』という前向きな意志です

それでも、患者さんにはいろいろな社会的・家族的・経済的背景があり、
そして感情があるということを当方も理解しています

治療を受ける利益だけでなく、治療を受けない不利益も選択できるのです


是非、熟考に熟考を重ねた上で決断してください
考え抜かれた決断は支持します


その熟考の過程で必要な医学的な根拠(エビデンス)などの情報は
いくらでも喜んでご提示させて頂きますので、遠慮なく聞いてください
(われわれは患者さんの応援団ですから、前向きなサポートは喜んで!)


医療者と患者の出会いも全て『ご縁』ですから
ご縁があったり、ご縁がなかったりなのです
やめたからといって「悪い」なんて思わないでください


ただ、ご縁がなかったということです

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