当院ERAS(イーラス)プロトコールの詳細

術後の回復力を強め、合併症の発生を抑え、術後を楽に過ごすため
『医学的に有効性が証明されている手法を総動員する』
ことが特徴です



対象症例

当院におけるERAS(イーラス)の対象患者さんは以下の方です

  • 静脈麻酔による手術を受ける方
  • 日帰り全身麻酔による手術を受ける方


当院の取り組み

術前カウンセリングを実施

患者さんや家族に手術や術後の治療をイメージし
安心して治療を受けていただくため
手術前に患者さんや家族に対して手術や周術期(手術前~手術後数日)
についての説明を行います

負担の少ない手術・麻酔を優先

「ソケットプリザーベーション」や「骨移植材を用いないサイナスリフト」など
自己治癒力を最大限に利用する治療法を採用しています
麻酔についても副作用や術後合併症を抑えるため、静脈麻酔や全身麻酔では
麻酔効果が速やかで代謝が早い「短時間作用型麻酔薬」を使用し
各種の鎮痛薬を併用するバランス麻酔を行います
適切な麻酔深度に調節するための脳波計も完備しています

先取りした痛みや腫れへの対応

最も心配になるのは術後の痛みや腫れではないでしょうか?
術後の強い痛みは合併症を引き起こしたり
傷の治りを遅くすることが分かってきました
術後の痛みや腫れが最小限になるよう
手術中から伝達麻酔や点滴からの痛み・腫れ止めの投与を行う
『先制疼痛療法』を行い痛みをコントロールします

最小限の絶飲食期間

絶飲食期間を最小限にすることで、周術期における患者さんの
肉体的・精神的ストレスの軽減と麻酔の安全性の両立に努めます

過剰な点滴を避ける

過剰な点滴は、消化器の運動回復を妨げ術後の回復を遅らせるため
厳密な点滴量の管理を行います

胃管・ドレーン・カテーテルの早期抜去

短時間の手術では使用を制限しています
長時間の手術でも必要最低限とし、麻酔から覚める前に撤去するよう努めます

積極的な早期離床

術後の早期離床は、深部静脈血栓症(エコノミー症候群)予防
呼吸機能の改善、蠕動運動(腸の運動)促進、手術創治癒促進など
術後の合併症を抑制し回復を促進する効果があります
手術室から回復室まで歩いていただくのもその一つです